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水理計算の基礎知識-19章
水頭計算のまとめ

水頭計算のまとめ

給水装置から水が出るかどうかの確認は配水管の最小動水圧時の水頭と、給水装置全体の所要水頭とを比較して行います。

給水装置の所要水頭とは、計画使用水量分の水を給水装置に流すときに最低限必要となる水頭のことです。

給水装置に水を流すのに必要な水頭には、給水装置の設置高さにまで水を押し上げる力、つまり給水装置の立ち上がり高さ分の水頭と、給水用具を水が通る時に失われる力、つまり給水用具の損失水頭、そして給水管を水が流れる時に失われる力、つまり管の摩擦損失水頭の合計です。

これを図に表したものが(図19-1)です。

(図19-1)
動水勾配線の説明1

このような図を一度は見たことがあるのではないでしょうか。

では、(図19-2)を使って図の説明をしていきます。

(図19-2)
動水勾配線の説明2

一番左の縦線は、配水管の最小動水圧時の水頭を表しています(図中1)。

そして給水装置の立ち上がり高さは、配水管から分岐した給水装置の図で表しています(図中2)。

損失水頭は、「配水管の最小動水圧時の水頭」の上から見ていきます。

配水管の分岐から量水器手前の止水栓までの間に、管との摩擦によって水頭が徐々に失われていくため、右下がりの線になっています(図中3)。

そして止水栓によってその分の水頭が失われるため、ここは真下の線になっています(図中4)。

止水栓から量水器までは、距離はわずかですが管の摩擦損失水頭があり(図中5)、量水器によってさらに水頭が失われています(図中6)。

以降同様に、止水栓まで管の摩擦損失水頭があり(図中7)、止水栓で水頭が失われ(図中8)、最終の給水栓まで管の摩擦損失水頭があり(図中9)、給水栓で水頭が失われる(図中10)といった具合です。

このように、立ち上がり高さを下から、損失水頭を上から見ていき、両者の和が配水管の最小動水圧時の水頭以下ならば、図で言うと立ち上がり高さと損失水頭の間にスペースがあるならば、計算上水が出ることになります。

そしてこのスペースに当たる部分を余裕水頭といいます(図中11)。

それでは次に、水頭計算の手順をまとめてみます。

水頭計算の一連の流れを図にしたものが(図19-3)です。

(図19-3)
水頭計算フロー図

■手順1

給水装置の計画使用水量を決定します。

計画使用水量の算出は、給水装置のタイプに合わせて「同時使用率から算出する方法」、「戸数から算出する方法」などいくつかの方法がありました。
適当と思われる方法で算出します。

なお、水頭計算においては区間ごとの流量を算出します。

区間は、流量または管径が変化するごとに設定します。
流量が同じでも管径が変わればそこで区切ります。
管径が同じでも流量が変わればそこで区切ります。

■手順2

区間ごとの管径を仮定します。

■手順3

区間の流量と仮定管径から、ウエストン公式またはヘーゼン・ウィリアムス公式により区間の動水勾配と流速を求めます。

このとき、流速が2.0m/secを超えるようであれば仮定管径を大きくして再計算します。

■手順4

動水勾配に区間の管延長を掛けて、その区間の管の摩擦損失水頭を求めます。

また、区間にある給水用具の損失水頭を合算し、その区間の給水用具の損失水頭を求めます。

■手順5

手順4で求めた区間の損失水頭に区間の立ち上がり高さを加えて、その区間の所要水頭を求めます。

■手順6

各区間の所要水頭を手順1~手順5によって求めます。

■手順7

各区間の所要水頭を合算し、給水装置全体の所要水頭を求めます。

■手順8

配水管の最小動水圧時の水頭と給水装置全体の所要水頭を比較して、配水管の最小動水圧時の水頭の方が大きいかを確認します。

配水管の最小動水圧時の水頭の方が大きければ、仮定した管径で水が出ることになるので計算は終わりです。

配水管の最小動水圧時の水頭の方が小さければ、手順2に戻り管径を設定し直して再度計算します。
そして配水管の最小動水圧時の水頭の方が大きくなるまでこれを繰り返します。

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