水理計算の基礎知識-12章
計算上、水が出るかどうかの確認
計算上、水が出るかどうかの確認
「2. なぜ水理計算をするのか」で述べたように、計算上、水が出るかどうかの確認は配水管の水頭と給水装置の所要水頭を比較することにより行います。
例えば配水管の水頭15mといった場合、15mの高さまで水を押し上げる力を持っているとイメージしてみてください。
給水装置の所要水頭11mといった場合には、その給水装置から水を出すためには11mの高さまで水を押し上げるだけの力が必要だとイメージしてみます。
直結直圧式給水は配水管の水圧を利用して給水する方式ですから、配水管の持つ力が給水装置から水を出すのに必要な力より大きければ水が出ることになります。
上記例ですと、
15m(配水管の水頭) > 11m(給水装置の所要水頭)
ですから、計算上、水が出ると判断できます。
仮に給水装置の所要水頭が18mだとしたら、
15m(配水管の水頭) < 18m(給水装置の所要水頭)
ですので、計算上、一部の水栓で水が出ないと判断できます。
配水管の水頭を何mとして計算するかは水道局により定められています。
ですから水理計算では、給水装置の所要水頭を計算により求めて、配水管の水頭と比較するという手順となります。
次章からは給水装置の所要水頭の求め方について説明していきます。
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