水理計算の基礎知識-14章
圧力と水頭の関係
圧力と水頭の関係
(図14-1)の箱に水が満たされているとして底面にかかる圧力を計算すると、
(図14-1)
水圧=底面上の水の重量÷底面積
で表せますので、
水圧 = 1[m] × 1[m] × 10[m] × 9.8[kN/m3] ÷ 1[m2]
= 98[kN/m2]
となります。
※[k]は「キロ」で、「千」を表します。
これを国際単位系であるPa(パスカル)で表すと、
1[Pa] = 1[N/m2]ですので、
98[kN/m2] = 98[kPa]
となります。
さらに単位を[k](キロ)から[M](メガ)にすると、
98[kPa] = 0.098[MPa]
となります。
※[M]は「メガ」で、「百万」を表します。
この、(図14-1)の底面にかかる圧力0.098[MPa]は、逆に言うと水を10mの高さまで押し上げることのできる力であるとも言えます。
つまり、水圧0.098[MPa]は水頭10mとして表すことができるのです。
ちなみに国際単位系への移行前は、水圧を[Pa]ではなく[kgf/cm2]という単位で表していました。
[kgf/cm2]と [Pa]との換算は次式で行えます。
X[MPa] = Y[kgf/cm2] × 0.098
Y[kgf/cm2] = X[MPa] ÷ 0.098
つまり、0.098[MPa]は、
0.098[MPa] ÷ 0.098 = 1[kgf/cm2]
ですから、
0.098[MPa] = 1[kgf/cm2] = 水頭10m
という関係であることが分かります。
水頭の値を10で割ることで、[kgf/cm2]の単位で表すことができます。
また、[MPa]と水頭との換算は次式で行えます。
X[MPa] = 水頭[m] × 0.0098
水頭[m] = X[MPa] ÷ 0.0098
換算例を2例ほど挙げてみます。
例1 水頭15mは1.5[kgf/cm2]であり、0.147[MPa]である。
例2 0.196[MPa]は2[kgf/cm2]であり、水頭20mである。
今までに挙げた換算式をまとめたものが(図14-2)です。
水理計算をする上で、水頭と水圧の換算に必要となります。
(図14-2)